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「CLUB CEO」放送情報 【129回放送】第一交通産業株式会社 田中 亮一郎 代表取締役社長

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経営者とZ世代をつなぐ未来創造番組「CLUB CEO」(interfm 毎週日曜日朝7:00放送 パーソナリティ:弊社代表五十嵐彰)に第一交通産業株式会社から田中 亮一郎 代表取締役社長にご出演いただきました。番組の概要は下記のとおりとなります。

※1枚目 左から五十嵐、田中社長。
2枚目後列左から、Z世代ゲスト佐野さん、SMBCCF飯村さん、Z世代ゲスト大村さん。前列左から五十嵐、田中社長。

放送日 : 2024年9月15日(日) 朝7:00-7:55
放送局 : interfm
出演者 : 田中 亮一郎(たなか りょういちろう)さん
((第一交通産業株式会社 代表取締役社長))

略歴>
1959年生まれ
1982年青山学院大学経済学部経済学科卒業後、
全国朝日放送(現テレビ朝日)入社(経理部)
1985年同社編成管理部(番組編成担当)
1985年第一交通産業社外取締役就任
1994年第一交通産業㈱入社取締役、専務、副社長を経て
2001年代表取締役社長就任

Z世代 : 佐野 陽菜さん(Loohcs高等学院3年生/NPO法人校外プログラム大全代表理事)

活動>通信制の高校に通いながら中高生向けメディア「校外プログラム大全」の代表や、記憶の集積地「LOCAL LOG」の設立・運営など、多岐にわたる活動を行う

Z世代 : 大村 慧さん(株式会社mairu tech 代表取締役CEO東京大学 工学部 機械情報工学科 3年生)

活動>エンジニアとしての経験を活かし、高校一年次に株式会社RICOHとの技術提携により、高齢者介護施設におけるストレスモニタリングシステムを開発
新規事業として健康医療ベンチャー大賞・高校生ビジネスプラングランプリ等で受賞2022年に東京大学工学部に推薦入試で入学
2023年5月に株式会社mairu techを設立
医療と福祉に特化した移動サービスのインフラを作り出すべく、挑戦を続けている

放送内容: 創業から現在までの歩み

64年前、田中社長の義理の父が5台のタクシーで創業した第一交通。その始まりは小規模なものだったが、タクシー事業は認可が必要なため、簡単に参入できるものではなかった。そこで、事業を拡大するために後継者不足や資金繰りに苦しむ企業を引き受け、34都道府県で200社に及ぶM&Aを実施。その結果、タクシーの保有台数は約8500台にまで拡大した。

業界内でのスケールメリット

日本全国には650のタクシー営業エリアが存在しており、そのうち第一交通がカバーするのは200エリアとなっている。しかし、「No.1タクシーネットワーク」という緩やかな協力関係を構築し、800社で4万台の規模を誇るグループとなっている。資本提携やフランチャイズではなく、共同購入や営業の連携を通じたグループ化が特徴である。

地域に根差した交通インフラの提供

同社はタクシーを活用できるような仕組みを地域に根差して展開している。不動産事業や飲食ビルの経営と連動させ、タクシーの利用を促進することにも力を入れている。地方では、路線バスやローカル鉄道の廃線・縮小により、病院や買い物への移動手段が失われるケースが増加。これに対応すべく、タクシー業界全体で地域の移動手段を確保する取り組みを行っている。田中社長は自らその委員長を務め、34都道府県の営業エリアの中で地方自治体と連携した乗合タクシー事業を展開。地域住民の快適な生活を守るため、思考錯誤を重ねて新しい交通モードを開発している。

沖縄での取り組み

同社では20年前からバス会社の再建にも取り組んできた。本島大手バス会社4社が経営難に陥っていた際、田中社長は管財人からの要請にこたえる形で2社の再生に関わり、今では沖縄本島バス路線の70%をカバーすることになった。沖縄にとって、バスは生活に欠かせない交通手段となるため、バス停にサイネージを設置し、あと何分でバスが到着するかを表示するなど、利用者のニーズに応える形でサービスを進化させている。

新しいサービスの挑戦

コロナ禍により、長距離移動が困難になったことをきっかけに、第一交通は「お墓参り代行サービス」を開始。タクシードライバーが依頼者の代わりにお墓参りを行い、写真付きの報告書をお届けするサービスとなっている。特に第一交通の本拠地である北九州では、高齢化が進んでおり、利用者の8割が地元住民。その他にも、買い物代行や病院の順番取りといった高齢者支援のサービスも提供し、地域社会に貢献している。第一交通は、単なるタクシー業者にとどまらず、地域のライフラインを支える存在として進化を続けている。

未来創造会議テーマ『新規事業を生み出す力とは?』(Z世代→経営者)

大村さん: 第一交通さんの事業を拝見すると、本当に幅広い領域で、非常に速いスピードで新しいサービスを展開されていると感じました。私たちも新しい取り組みを社会に導入していく中で、難しさを感じています。社会的な意義と経済的な持続可能性のバランスを取ることを目指し、多くの人に喜んでもらいたいと思う一方で、企業としての存続も考えなければなりません。その中で、田中さんが事業を行う上で「ここだけは譲れない」という信念や、どのような理念を持って取り組まれているのか、ぜひお聞かせください。

田中さん: 私たちのサービスは、外部に頼るのではなく、会社やドライバーが直接提供しています。そのため、やる人たちに無理を強いることはありません。どんなに良いサービスでお客様が喜んでいても、ドライバーが「面倒だな」と感じてしまえば、サービスは続きません。だからこそ、やりたい社員やドライバーが自発的に参加できる仕組みを作ることが大事だと思っています。1回やって上手くいかなくても、やり方を変えて再挑戦することも重要です。例えば、高齢の方がスマートフォンを使いこなせない場合、携帯会社と連携して、スマホ教室でタクシーの呼び方を教える勉強会を開いてもらうこともあります。そうやって地域のニーズや声をしっかりと聞きながら進めています。基本的な仕組みができれば、あとはそれを地域ごとにアレンジしていくだけだと思います。

佐野さん:「地域の声を聞く」というお話、本当にその通りだと思います。田中さんはまさにそれを体現しておられる方で、私にとっても理想的なビジネスだなと感じながらお話を聞いていました。私からの質問ですが、近年、社会はますます移動性が高くなり、人々の愛着心や郷土愛も徐々に薄れてきていると感じています。田中さんは、この変化についてどのようにお考えでしょうか?

田中さん:大都市にいると、確かにそう感じることが多いかもしれません。しかし、田舎ではまだまだお祭りや風習が大切にされ、地域の子供達を大事にする文化も根強く残っています。それを継続するために、私たちがどのようにお手伝いできるかが重要だと思います。人が集まる場所やイベントをどう支援できるかを考えることが、地域を盛り上げる鍵だと思います。それだけではなく、新しいものをどう既存の文化と結びつけていくかも大切です。例えば、北九州はかつて「日本で一番危ない街」といわれていた時期もありましたが、今では「東京ガールズコレクション」が8回も開催されています。こうしたイベントで北九州を盛り上げつつ、地元の人々も元気づけています。一方で、伝統的なお祭りも大事にしており、地域の企業も含めて全体で参加する取り組みを続けています。

佐野さん:古き良き文化を守りつつ、新しい文化や流行を取り入れていくということですね。

未来創造会議テーマ『働き方改革と労働力』(経営者→Z世代)

田中さん:2024年問題に関連する労働時間の上限キャップ制などが、業種によっては深刻な人手不足を引き起こしている一因となっています。無秩序な働き方は問題があると思いますが、働き方や労働時間の制限が経済活動の活力を低下させる可能性があるという意見もあります。皆さんはこの点についてどう思われますか?

大村さん:私は仕事が好きで、ものを作って社会に貢献することに喜びを感じています。その手段として起業家を選んでいます。社内起業家や新規事業の立ち上げにも魅力を感じていますが、自分が全力で頑張りたいと思っても、それができないと感じることには悔しさを覚えると思います。一方で、周りの人々からは、他の時間を大切にしたいのに過度に働かされているという声も聞きます。雇用者がその力を利用して働かせる状況も問題だと思います。私は、働く時間や待遇が一律に決められるべきではないと考えています。完全に自由な立場になったとしても、強い立場の人が他人の価値観を歪めるべきではありません。

佐野さん:労働の問題は深刻で、ある程度仕方がない部分もあると思いますが、基本的にはワークライフバランスを重視し、個人の働きたいという思いと生活のバランスを取ることが重要です。最近ではAIの台頭により、効率化できる部分も増えてきていると思います。そうした技術の進歩によって、労働時間を短縮しつつも人手不足を解消する未来もそう遠くはないのではないかと考えています。

田中さん:基本的には業種によると思いますが、人が人にサービスを提供する場合、途中で作業をやめるわけにはいかないことが多いです。例えば、医療関係の看護師の労働時間にも上限がありますし、運輸業でも時間制限があります。今やらなければならないことが多い状況です。能登半島の地震では、片道3時間、往復6時間かかるため、1日8時間の労働では2時間しか現地での作業ができないという問題もあります。ワークライフバランスはもちろん重要ですが、そうした特別な状況では「今やるべきなのか」という思いもあります。また、賃金や時給の上昇に伴い、年金受給の関係で働けなくなる高齢者が増えてきています。地域や仕事、業種によって異なる問題を考慮しなければならないと思います。

番組を通じてZ世代の感想

佐野さん:地域の声を聴きながらニーズに対応する応答力のスケールが非常に素晴らしいと感じました。自分自身はまだ構想力が不足していると感じ、場所性の圧力に屈している現状もあります。田中さんの話を聞いて、多くの学びを得るとともに、一筋の希望が見えたような気がしました。

大村さん:多くの幅広い話題について伺うことができましたが、全体を通して、ベンチャー的な、スタートアップ的なアプローチを大きな組織の中で実践されているという印象を受けました。非常に興味深く、刺激的な経験でした。

田中さんにとって、「モビリティサービスとは?」
『最後の一人も残さない』

選曲:

1曲目)中央フリーウェイ(YOASOBI cheers 松任谷由実)※田中さん
2曲目)レオ(優里)※田中さん
3曲目)5/7(chilldspot)※佐野さん
4曲目)Daylight(Sheppard)※大村さん

企業情報:第一交通産業株式会社

設立:1960年6月24日
代表者:代表取締役社長田中亮一郎
所在地:福岡県北九州市小倉北区馬借2-6-8
事業:タクシー事業、バス事業、不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産再生事業、不動産関連金融事業、介護・医療事業など
資本金:20億2755万円
社員数:約13,000名

~SMBCグループ協力~
『お金とくらしのトリセツ』
講師 :SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 飯村 由似さん
テーマ :「投資信託」

内容:
投資信託とは?
投資信託は、簡単に言うと「バランスよくパッケージ化された投資商品」である。複数の投資家から集めた資金を、資産運用の専門家が運用し、その収益が投資家に分配される仕組みとなっている。投資信託のメリットは、 「専門家に運用を任せられること」 、「少額で分散投資ができること」 の2つが挙げられる。
投資信託の3つのポイント
長期投資:長期的な視点で投資を行うことで、複利の効果が期待できる。複利とは、得られた利益を元本に組み入れ、再び運用することで、資産が雪だるま式に増えていく仕組みであり、時間が経つほど利益が積み重なり、資産の増加が加速する。
分散投資: 「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるが、これはリスク分散の重要性を示している。複数の商品や市場に投資することで、一部の投資が失敗しても、全体の損失を抑えることができる。分散投資は、安定したリターンを目指すための基本的な戦略となる。
積立投資:定期的に一定の金額で投資商品を購入する「積立投資」は、価格が上下する中でも平均購入単価を抑える効果がある。市場のタイミングに左右されず、コツコツと資産を増やすことができる。
早めの資産運用が鍵
資産運用は、早く始めるほど効果が大きくなる。複利効果や積立投資の力を活かし、長期的に資産を増やすことで、将来の豊かな生活を実現するための準備ができる。

<収録の様子>


※ゲストCEOとZ世代ゲストとの収録の様子。(写真左側は田中社長。右側Z世代ゲスト佐野さん(左)、大村さん(右)


※1枚目 左から田中社長、Z世代ゲスト佐野さん、大村さん。2枚目Z世代ゲスト佐野さん(左)、大村さん(右)。


※写真左側は第一交通の行灯ミニチュアライト、写真右側は第一交通グループ公式キャラクター「らくま」のゴルフボール入れ
なお、この番組の放送に収まらなかった完全版はAuDee、Spotifyでお聴きいただけます。

・AuDee公式ページはこちら:https://audee.jp/program/show/100000357

さらにZ世代のメディアコミュニティ「Steenz」では、オリジナル動画コンテンツとして、
放送とは異なる目線で、経営者とZ世代の熱のこもった対談の模様を配信していきます。
・Steenz公式ページはこちら:https://steenz.jp/

・アフタートーク動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=xBF-VZi9hAg

■Steenz(スティーンズ)とは?(https://steenz.jp/
多様性の時代を生きる10代がもつ「自分らしさ」にフォーカスし、その生き様を賞賛し、個性を磨き続けられる社会を実現させるためのメディア・プロジェクト。

■CLUB CEOとは?
「経営者とZ世代をつなぐ未来創造番組」をコンセプトに、毎週日本を彩る『真の』経営者をゲストにお迎えし、経営者の人柄や事業内容に迫るだけではなく、
小学館が運営する10代向けメディアコミュニティ『Steenz(スティーンズ)』ならびに
幼児から中高生・社会人まで教育サービスを総合的に展開する株式会社ウィザスと連携し、Z世代が持つ「価値観」や「社会課題」を経営者と一緒に考え学んでいく番組です。

<番組概要>
番組名 :「CLUB CEO」
放送局 : interfm
放送日 :毎週日曜日 AM7:00-7:55
進行 :ナビゲーター五十嵐彰(株式会社CMerTV代表取締役社長)04095